中島そのみ

 中島そのみの声が耳から離れない。キンキンと脳天から突き抜けてくる声は、ピンクの電話清水よしこ林家パー子かとも思うが、その声のせいで「お姐ちゃんシリーズ」の中島そのみは、3人のお姐ちゃんの中で(団令子・重山規子よりも)いっそう印象に残る。
 『ベビーギャングとお姐ちゃん』(1961年、監督:杉江敏男)では真っ赤なオープンカーを運転して登場、キンキン声をまき散らして大いに活躍する。子役の中村勘九郎(ベビーギャング・アッちゃん)にも面白い声だねなどと言われている。

 ついこの前、浅草東宝の土曜オールナイトで「団令子特集」が組まれていたが、「中島そのみ特集」なんてやったらどんなものだろう。一晩中あの声でキンキンまくしたてられたら……試してみたい気がしないでもない。
 それにしても、勘九郎の俳優ぶりには驚かされる。就学前(5歳か6歳)であるが、一挙手一投足すでにもう役者の勘九郎である。前作(1961年)の『アッちゃんのベビーギャング』(2作品とも歌舞伎のシーンで終わる)でもしかり。
 凄い人ははじめから凄い。
 ちなみに4月17日の浅草東宝オールナイトは『KICK THE 勘九郎中村屋)』、この2作品も含め子役の勘九郎を堪能できます。