『お姐ちゃん』シリーズ

 日本映画専門チャンネル『お姐ちゃんに任しとキ!』(1960年、監督:筧正典)。


 朝っぱらからドタバタとしたコメディ、騒音紙一重の中島そのみのキンキン声がなぜか爽快である。もはや免疫ができてしまったのか、この声がないと『お姐ちゃん』シリーズは成り立たない。


 シリーズ5作目『任しとキ!』の中島そのみも真っ赤なオープンカーで騒々しく登場、ガンガンハチャメチャやってくれ、と期待がふくらむ。
 この『お姐ちゃんシリーズ』は全8本あるが、最初の3本が1959年、次の3本が1961年に作られている。


 昔の映画にシリーズものが多い(駅前シリーズ、社長シリーズ、クレージー、若大将、悪名など、挙げたらきりがない)のは、この制作の素早さにあるのだろうか。
 今、シリーズと聞いて咄嗟に浮かぶのは『寅さん』『釣りバカ』くらいだ。


 長い目で見ると、新しさばかり追求するのではなく、同じ設定・キャストで繰り返し作られてゆく作品も、もうちょっとあってもいいのではないかという気がしてくる。
 『仮面ライダー』だって『ウルトラマン』だって、名作はシリーズものである。