『ゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』

日本映画専門チャンネルゴジラ・ミニラ・ガバラ オール怪獣大進撃』(1969年、監督:本多猪四郎)。


 オープニングから、歌がすごくいい。曲調は当時の娯楽映画風で、お姐ちゃんシリーズをちょっと思わせる。また、歌詞が最高である。怪獣だからいろいろ壊しちゃうけどごめんなさい、とあっけらかんと言い放ち、映画全体がこの怪獣の視点で通されている。小賢しいテーマや、とってつけたような社会正義とは無縁で、とても痛快である。


 話もテンポがよく、きちんと出来ており、怪獣映画にしてはまとまりすぎているほどである。主人公の少年が、両親共働きの弱虫な「鍵っ子」という設定で、私も似たような境遇だったせいか妙に感情移入し、現金強奪犯と一人戦う場面では真剣にハラハラし思わず心で応援してしまった。
 少年の夢の中に出てくる怪獣島のシーンも、ただ怪獣たちが闘っているだけで気分がいい。ヘナヘナの炎しか吐けなかった弱いミニラが奮闘し、ゴジラのような立派な炎が出るようになるところは愛嬌があり、思わずほのぼのなどもして笑った。
 なんといっても終始、少年が怪獣(ミニラ)の視点でいるのが素晴らしい。面白くて2回続けて見た。