カリキュラマシーン

 『カリキュラマシーン』DVD(1974−1978年)。


 こんな傑作をすっかり忘れていて悔しいのだが、冒頭の音楽と、妙な静けさの中、シュールに淡々と進むコントやギャグをちょっと見たら、怒濤の勢いで記憶が蘇ってきた。


 特に映像より耳で覚えている方が多く、50音表がただ出てきて、「か行あ段のかーっ」というものや、「えんぴつの歌」などは、怖いくらい素早く、あ、それそれそれそれと、思い出した。


 『巨泉・前武ゲバゲバ90分!』のスタッフが制作しただけあって、子ども番組ではあるがテイストはゲバゲバで、子どもに何かを教えようとしたり、子どもに媚びたりはまったくしておらず、むしろ子どもそっちのけで、大人の作り手が存分に楽しんでいる。しかし、だからこそ、子どもはあやしげな魅力を感じ取り、この『カリキュラマシーン』は傑作となったのである。


 90年代の子ども番組の傑作『ウゴウゴルーガ』(フジテレビ1992−1994年)が、この番組を念頭に置いていたというのも大いに頷ける。