修羅雪姫
日本映画専門チャンネル『修羅雪姫』(1973年、監督:藤田敏八)。
面白い面白い。娯楽映画として一級品である。
言わずと知れた「梶芽衣子大ファン」のクエンティン・タランティーノ監督が触発された作品。
復讐するためだけに生を受けた修羅の子・梶芽衣子は強すぎカッコ良すぎ。番傘の柄になっている刀は斬鉄剣のように斬れすぎ(胴体もまっぷたつ)。血はドバドバプシュプシュ吹き出しすぎ。
修羅雪が復讐の鬼となった経緯の説明にアニメが挟み込まれてもいて、これはほとんど『キル・ビル』。こんなに惚れ込まれて日本の映画も幸せである。日本人よりも感度の鋭い(オタク)外人の方が、日本映画の楽しみ方をわかっているのかもしれない。
これまで日本人の誰がこの『修羅雪姫』を、こんなに自信をもって褒め称えただろうか。タランティーノが絶賛しなければ、私もたぶん一生見ることはなかった。自戒。
それにしても、テンポはいいし、容赦のない復讐話として痛快だし、次は誰が斬られるのかわかっているのに、いやわかっているから見入ってしまう。「赦してくれ、助けてくれ」と命乞いをする仇を前に梶芽衣子がキッパリ「赦しもしないし、助けもしない」逡巡せず番傘剣でバッサリ。痛快な娯楽映画はこうでなくてはいけない。