白い巨塔、終了。

 フジテレビ721の『白い巨塔』がとうとう終わってしまった。
 ラストは4話連続。
 裁判で追いつめられてゆく田宮二郎の切迫感が、ひしひしと伝わりこちらまで胃が痛くなるほどだった。鬼気迫る表情はまさに何かが乗りうつったかのようで、ここまで役に入り込んだ俳優はもう何をどう演じても説得力を持つ。



 私は久しぶりに、何かをしながらテレビを見るということができなくなった。
 ラストシーンではもちろん落涙。もったいぶっていない財前の最期もよく、親友である里見(山本學)の「惜しい男をなくした」というあまりにもありきたりな言葉さえもが、ごく自然に心に響いたのだった。

 改めて考えるに、やはりこのドラマは傑作だった。しばらくは、『白い巨塔』の余韻にひるだろう。まだ今の段階では、いろいろな良さが言葉にならない。ただ、終わってしまったというぽっかり感のみ。