タイム・トラベラー

 やはりNHK少年ドラマシリーズといえば、第1シリーズの『タイム・トラベラー』である。原作は言わずもがなの筒井康隆時をかける少女』。
 夕方6時。やたらと怖い雰囲気。理科室。ラベンダーの香り。ケン・ソゴル。ラベンダーと聞くと、今でも反射的に思うのは「タイム・トラベラー」だし、「タイム・トラベラー」とくれば、ケン・ソゴルである。ケン・ソゴルは耳に目に脳に残ります。『なぞの転校生』にしても『タイム・トラベラー』にしても、子ども(少年)に媚びてないところが、これだけうけた理由ではないだろうか。子どもは子ども扱いされることに敏感なものである。音楽も怪しげで落ち着きもある雰囲気がよく出ていた。


 
 当時、鶴書房で出していたSFベストセラーズは、この2作品の他にも『夕ばえ作戦』(光瀬龍)や『見えないものの影』(小松左京)など面白いものが揃っていてよく読んだ。