『ロアルド・ダール劇場:予期せぬ出来事』

ミステリチャンネルロアルド・ダール劇場:予期せぬ出来事』(1979年、イギリス制作)
 ブラックユーモア、奇妙な短編の名手として名高いダールの作品のドラマ化全9話。


 中でも「南から来た男」(『あなたに似た人』(田村?一訳、ハヤカワ文庫)所収)は、映画『フォー・ルームス』第4話(クエンティン・タランティーノ脚本・監督)、“小指を賭ける”話の元ネタでもあり、特に印象に残った。タランティーノ監督の映像の方が、自然に笑えてユーモアに富んではいるが。


 映像に限って言えば、日本の古い映画やドラマを見た時よりもいっそう古くささを感じる。だが、物語が上等であればその骨組み、ユーモアや恐怖の核の部分を味わうには、外国のものの方が映像の雰囲気に惑わされずよいのかもしれない。
 奇妙な話がふつうに享受されている今となっては、どれもどこかで見聞きした話で、筋はわかっており、画面も地味で馴染みにくい、それでもなぜが繰り返し見てしまう。話としての力を感じながら楽しんだ。