『長屋紳士録』

オリンピック観戦を機に、「昔懐かし」病の症状が和らぐかと思ったが、かえって悪化したようである。


見る番組が見つからず、地上波BSCSと漂流したままどこにも落ち着くことができない。
特に昼間はその傾向が大で、ほとほと困っていたら、NHKBS2で小津安二郎監督の映画をまた何本か続けて放映していた。


『長屋紳士録』(1947年)の、おたね(飯田蝶子)を見て笑いながら一息つく。
はぐれた男の子をいやいや預かることになったおたねの、意地悪さと優しさの混ざり具合が、ユーモラスに巧く出ていて面白い。
小津監督の映画に登場する、一筋縄では行かぬおばさんや煮ても焼いても喰えぬおばさんが、私はとても好きである。