『魔法使いサリー』

 東映チャンネルで『魔法使いサリー』(1966年、原作:横山光輝)が始まる。
 サリーちゃんというと赤いワンピースのイメージだが、スタート時はモノクロだった。だが、足首のない、いわゆる「サリーちゃん足」は始めから変わらずで嬉しい。今見るとサリーの表情やしぐさ、ヘアスタイルなどはかなりおばさんっぽい。いつもカブを怒っているし、時々見せる意地悪そうな顔も、行く末の「サリーおばさん」を想像させるに十分である。


 サリーが人間の世界に来たきっかけは、パパは始終留守で、ママは忙しく、誰も遊んでくれないから。魔法の習得もそこそこに、ひとりで勝手に魔法の国を飛び出したのである。元祖「寝ぐせカブヘア」のカブは、パパの言いつけでサリーを連れ戻すために後からやって来る。
 サリーたちは、いきなり魔法を使いまくる。特に困った状況になくとも、何のためらいもなく人目も気にせずパッパと使う。ここらへんが「ひみつのアッコちゃん」と違うところである。
 サリーが魔法を使ってやりたい放題でああることは、エンディングの歌『魔法のマンボ』が端的に示している。魔法礼賛、魔法があれば怖いものなしというのが、魔法使いサリーの始まりだった。