飛ぶ夢をしばらく見ない

 日本映画専門チャンネル飛ぶ夢をしばらく見ない』(1990年、監督:須川栄三)。原作・脚本は山田太一


 原作はもちろん面白く、めずらしく脚本まで手がけているので、最近の映画であるが見たくなった。
 しかし、女性がどんどん若返ってゆく話なので、実写ではどうしても無理がある。石田えりが豊乳を惜しげもなくぶるるんしていたという印象ばかりが残った。


 山田太一の場合、小説を書くときと脚本を書くときとでは、使用している脳の部位が異なっていると思われるほどスタンスが違うので、小説の映画化はかなり難しい。
 『異人たちとの夏』(1988年、監督:大林宣彦、脚色:市川森一)は面白かったが、やはり氏の小説本来の面白さを堪能するには、映画との往来はしない方がよい。