妖怪人間ベムふたたび
アニマックス『妖怪人間ベム』。
子どもの時に見た印象とかなり違っていた。
まず、オープニングの曲(歌:ハニーナイツ)が全然怖くない。ダークダックスとかボニージャックスが歌っているような、軽やかにハモったいい曲である。
怖いというのは、歌詞や妖怪人間を説明する導入部の印象が強すぎたのだ。
また、ベム・ベラ・ベロの3妖怪には正義の血が流れていて、従って「悪のにおい」に非常に敏感で、その悪を退治することによって人間になれる、ということなどまったく忘れ去っていた。
ベラも思っていたより口は裂けておらず、べらんめえ口調で豊満なボディがかえって妖怪の雰囲気を和らげ、ベムはベムで仕立てのよい服を着た犬神家の佐清みたいだった。
結局、怖いのは妖怪人間ではなく、退治される方の「悪に取り憑かれた人間」だった。
そして、きわめつけはエンディングの曲。
「子どものベロはみんなの友達、ぼくらは愉快な仲間、一緒に遊ぼう、顔は怖いがいいやつだ」という少年達が唱う愉快な明るい曲なのだった。