テレビで映画

 現在は見たい古い映画もドラマもDVDが結構出ていて、ネット通販などを活用すればそう労せずに欲しい作品は手に入る。どうしてもスクリーンで見たければ、名画座をこまめにチェックすると意外といろいろやっていたりする。
 だが、どういうわけか「いま、テレビでやっている」状況が好きなのである。その時間にテレビをつけて、たとえ途中で犬がウンコをしても自分が便意をもよおしてしまっても、放映中の画面をリアルタイムでながめたいのである。
 ビデオが普及していない時代に育ったからなのか、よそ見している間に画面はどんどん先へ行ってしまうという束縛感・窮屈感が良かったりする。
 見たい番組を録画したのに、見ないままどんどんたまってゆく「スゴ録」のタイトルをながめながら、「自分のウチで、その時やっている番組を、だらだらずるずると見る」のが好きなのだ、そして思わぬ掘り出し物にぶつかったときにすごく幸せになるのだ、と『続番頭はんと丁稚どん』(衛星劇場)を見ながら思うのでした。と言っているうちに、ほら次は『白い巨塔』1966年・田宮二郎主演版が始まった。