歌謡曲

 歌謡曲全盛時代に育ったので、結局、歌謡曲が好きだ。歌謡曲だけで御飯何杯でも食える(?)。「洋もの」にはまった時期は無い。
 しかしいま、いい歌謡曲が聴けるのは、アニメのテーマソングぐらいではなかろうか。一回聴けば耳に残り、曲も詞もわかりやすく、ストレートに響いてくる。思わせぶりなところや、小難しいところがない。でも、だからこそ、聴き終わったあと、「このあまりにもすっきりした、軽い楽しい感じはなんなのだろう」と考えたりするのである。



 「単純で楽しいだけ」の繰り返し、そんな音楽がすごく聴きたくなるときがある。『浮草』(小津安二郎監督)を見ていて、中村雁治郎が愛人のもとへズンチャズンチャズンチャズンチャ可愛いらしく歩く姿を目(耳)にしたら、なぜかそんな気分になった。