奥様は魔女

 現在TBSで『奥さまは魔女』の日本版をやっているが、どうしてこういう発想になるのだろう。とてもあの60年代アメリカンホームコメディの傑作『奥さまは魔女』を十分堪能した人の考えつくことではない。



 しかもCSのTBSチャンネルでは、月曜から金曜の朝と夜、一回二話ずつ、その御本家を放映中である。「奥さまの名前はサマンサ、旦那さまの名前はダーリン……」この懐かしきイントロと中村正の名ナレーションに思わず落涙しそうになった直後、なぜ米倉凉子(ありさという名前だが)のサマンサを見なければならないのか。



 だが、このCSのTBSチャンネル版もニュープリントで、CSスーパーチャンネルでは元祖『奥さまは魔女』をやっている。画面はくすんで粗く、ダーリンの顔がなぜか怖いようにも思えるが、こちらのほうが見ていてしっくりくる。最近まずいことに、画面が古ぼけているとほっとするようになってしまった。