野獣狩り

 日本映画専門チャンネルで『野獣狩り』(1973年、監督:須川栄三)。
 喜劇王ともいうべき伴淳三郎仮面ライダー藤岡弘、がまじめな親子刑事役でコンビを組んでいる。不思議な気分である。緊迫したシーンでも、いつおちゃらけてくれるか、いつ変身してくれるかと、絶対にあり得ないことをついつい期待し、マイ・オンリー喜劇にして勝手に楽しんでしまう。


 
 「こういう役もやっていた」映画が何本かあると、マニアには嬉しい貴重な作品となって残ってゆく。現に『野獣狩り』は視聴者のリクエストだし、5月29日の浅草東宝オールナイトでは「めくるめくアジャパーワールド 伴淳 特集」にセレクトされている。
 蛇足ながら、藤岡弘の後には「、」をお忘れなく。「。」ではなく「、」なのは、句点だとそこで止まってしまう感じがあり、これからもずっと続いてゆくことを表すためには読点なのだそうである。